私は男性育休を半年間取得した、子供1人と妻と3人暮らしをしている普通のアラサー会社員です。
最近、少子化対策で国が力を入れ始めたこともあり話題に挙がることも増えた男性育休ですが、実際に数ヶ月以上に渡り取得するケースは少ない現状かと思います。
今回は男性育休の体験談を記載します。
長いですので、以下の目次で気になる項目だけでもご覧いただければ幸いです。
もちろん、全てご覧いただければもっと嬉しいです。
目次
半年間に渡り男性育休を取得した理由
はじめに半年間に渡り男性育休を取得した理由を紹介します。
理由ですが、一言では子供が生まれた直後のかけがえのない期間、できるだけ多くの時間を家族共に過ごし乗り越えたいと思ったからです。
子供が生まれた直後、家庭内で防ぎたいことの一つが妻のメンタル不調です。
産後は出産によりダメージを受けた身体で昼夜を問わず授乳を行い、睡眠不足の中でなぜ泣いているか分からない赤ちゃんの対応に追われたりと、余裕のない生活が続きやすいです。
そのような状況もある中で、夫婦で共に育児を行い、家族の心身の健康を守り、一緒に過ごす時間を大切にしたいと思いました。
男性育休の取得を考えると、懸念点が次々と出てきます。
・収入が減る
・職場に影響が出る
・周りで長期に渡り男性育休を取得している人はいない
などです。
私自身も、懸念はありました。
しかし、最終的には人生の優先順位の基準で考えての決断でした。
自分にとって、家族との時間・心身の健康より大切なものはありません。
そのため、懸念点があっても半年間の育休を取得しました。
人生の優先順位に関する有名な教えに、とある講義での壺の話があります。
教授は生徒の前で壺を出し、岩や砂利、水などを入れていき、満杯にしていきます。
ポイントは、入れる順番です。
始めに、壺へ砂利や水を入れ、満杯にしてしまえば、後から大きな岩を入れることは困難です。
壺に大きな岩を入れるには、何よりも先に大きな岩を入れなければいけません。
これは人生も同じで、自分にとって一番大事な大きな岩を確保しておきたいのであれば、何よりも第一優先すべきということです。
育休について悩み始めると、これはどうしよう、これは…と余計に迷ってしまうこともあるかと思います。
そのような時は、自分にとって人生で何が大事か整理して、大事なものを優先しようと、迷った時こそシンプルに考えることがおすすめです。
私は家族を優先し、育休を取ってよかったと心から実感しています。
男性育休の体験談
育休取得までの流れ
育休を取得した理由は上記で記載した通り、私にとって家族が最優先であったためです。
半年という期間にした理由ですが、首が座るまでのおおよそ3〜4ヶ月以上は取得したいということ、また子供がある程度まとまった睡眠を取ってくれるようになる目安として6ヶ月と考えたためです。
また、育休半年以降は、育児給付金が月収の67%から50%に減額となることや、職場への影響等、メリット・デメリットのバランスを考慮して決めました。
ちなみに妻も育休取得についてはとても助かると肯定的な反応でした。
育休取得の意向については、できるだけ早く職場の上司へ伝えることがおすすめです。
私は妻が安定期に入り、しばらく経った出産予定日の5ヶ月前程に育休取得の意向と検討している期間について伝えました。
上司は驚いている様子でしたが、ありがたいことに問題なく相談に乗っていただけました。
上司や人事への相談・調整の上、育休期間中の仕事の割り振りが決まり、引き継ぎが始まりました。
引継ぎ・周囲の反応
引継ぎ期間ですが、結構バタバタでした。
引継ぎ書等は早めにやろうと準備していたのですが、それでも結局バタバタです。
家庭に専念するために育休を取得するのに、その引継ぎ期間で忙しくなり家庭の時間がなくなってしまっては目的に反する形になってしまうので、早め早めの準備をすると良いでしょう。
仕事の関係者へ男性育休に伝える際、どういった反応があるかは、私自身興味深い点でした。
実際伝えてみると、反応はいくつかのパターンに分けられました。
パターン1【肯定的・応援してくれる】
1つ目は、育休に対して肯定的で応援の言葉をかけてもらえるケースです。
男性よりも女性の方がこのような反応をしてくれることが多かったです。
私としても心が温まる、ありがたい反応でした。
パターン2【珍しさから興味を示される】
2つ目は、まだ男性が数ヶ月以上の育休を取得することは少数派のため、その珍しさから興味を示されるケースです。
男性ではこのような反応が多く、特に育休中のお金については気になる人が多い印象でした。
パターン3【あまり肯定的ではない反応】
ありがたいことに、肯定的ではない反応はほとんどありませんでした。
しかし、一部の方からは、
「そんなに取る必要ないのではないか」
といった意見もありました。
生後0〜1ヶ月
我が子、誕生。
コロナの影響で出産直前・直後のみでしたが、立ち会いをすることができました。
妻、そして生まれてきてくれた子供には大感謝です。
そして、私の育休生活も始まりました。
新生児の睡眠は、特に細切れです。
また、妻の授乳は3時間に起こっていました。
3時間といっても、授乳・ミルク・ゲップだし・おむつ替えや寝かしつけ等、一回の流れで1時間以上はかかることも多いです。
すると、気づけばまた授乳の時間が来て、ゆっくり休む余裕がない。
それが昼夜を問わず続くと考えると、授乳を行うということだけで、いかに妻の負担が大きいか、夫が一緒に育児をする大切さと感じました。
また実感したのは、子供の可愛さ。
子供は可愛いと色んな人から聞き飽きた言葉ですが、想像以上でした。
寝顔や小さな手足、おならでさえ可愛い。
寝不足で体調がすぐれない時は可愛いと思う余裕がない時も正直ありますが、やはり子供の可愛さは偉大でした。
生後1〜3ヶ月
新生児期が過ぎると、子供もできることが日に日に増えます。
指なめ、声出し、笑顔、成長してできることが増えていくことを逃さず見れるのは、とても幸せです。
一方夜はというと、ほんの少しずつ、昼夜の区別がついてきました。
3時間まとめて寝てくれたら、ありがとうと褒め称えたたえる、そんな状況です。
育児に一番大切なことは、いかに夫婦の睡眠時間を確保するかだと感じました。
睡眠は元気のもと。
そして赤ちゃんの育児中は簡単に睡眠不足に陥る。
だからこそ、夫婦2人で分担し、いかに睡眠を確保するかが、心身の健康を保ち、良い夫婦関係を維持しながら育児できることに繋がります。
生後3〜6ヶ月
生後3.4ヶ月あたりから、徐々にお出かけする機会も増えてきました。
近場の公園であっても、やはり出かけると気持ちがスッキリします。
育児中は自宅にいることが多くなるので、無理ない範囲でできるだけ外に出ることは、子供の成長にとっても、親の気分転換にとっても良いと思いました。
4ヶ月頃の大きな変化は、首が座ったこと。
首が座ると、うつ伏せで上手に遊べます。
抱っこも安心してできます。
首が座るというとは、育児での大きな節目の一つだと感じました。
半年間の育休も、始まればあっという間の出来事だと感じました。
男性育休を取得して良かったこと【メリット】
メリットは、家庭に費やす時間が増えることです。それによって、どんな影響があるか紹介していきます。
家族の思い出が増える
これは大きなメリットだと感じました。
時間は資産。命そのものでもあります。
特に生後間もない子供と過ごす時間は、かけがいのない思い出になります。
妻の負担の軽減
出産直後の母は、体にダメージを受けている状態です。
特に産後1ヶ月は、母以外に大人の手が必須であると実感しました。
男性は出産、授乳こそできませんが、それ以外のことは全てできます。
産後1ヶ月は家事全般は母以外が中心になってすべきであると感じました。
長期的な目線での家事、育児スキルの向上
育休により、家事・育児スキルは自然と上がってきます。
育休中にスキルを上げてしまえば、復帰後にも活きるため、長期的にもメリットになります。
キャリアや人生観を見直す機会となる
社会人になると、日々忙しなく過ごすことで、キャリアや人生観を考え直す機会を失うこともあるかと思います。
育休を取り、一度仕事から離れることで、自分にとって何が大切なのか、考え直す機会になります。
男性育休を取得することの懸念点【デメリット】
続いて、男性育休を取得することの懸念点、デメリットにもなりかねないことについて紹介します。
収入の減少
育休中は、月収(標準報酬額)の67%が半年間まで支給されます。半年〜1年の間は、50%に支給額が下がります。
ボーナスが加味されないことは痛手ですが、育休中は社会保険料が掛からない等、優遇もあります。
通常通り働いている時に比べると収入は減りますが、かなり恵まれた制度だと実感しています。
収入減の対策の一つは、支出の見直しです。
我が家では支出確認していますが、細かくチェックするのは面倒なため行っていません。
ざっと支出を把握するためのおすすめは、基本的に全て同じキャッシュレスで支払いを行い、支払い方法を統一せることです。
キャッシュレスの支払いを一目で把握できるため、それ以外の現金払いしたもののみを記録し、ざっと支出を把握しています。
職場への影響
育休を取れば、自身の仕事をフォローしていただく必要があり、職場への影響は避けられません。
私自身も悩んだ点でありますが、冒頭にお伝えした通り、価値観の中で家族第一であったため、育休取得に至りました。
そうは言っても、職場にフォローいただくことへの感謝は忘れてはいけません。
育休を取る場合、職場に対しては、感謝を示すことと引き継ぎをしっかり行うことの2点を大切にするしかないと感じました。
自身のスキル、キャリアが一時ストップする
仕事から離れると、その間キャリアはストップします。
この点を懸念される方も多いかと思います。
仕事から離れてブランクができてしまうことは仕方ないことであり、育休を得るためには、必ず何か失うこともあります。
しかし、プラスに捉えれば育休期間は、自身のキャリアを見直したり、最近話題のリスキリングによりスキルアップを狙う機会にもなり得ます。
注意点として、リスキリングに必死になるあまり、本来の育休取得の目的である育児に専念することが疎かになってしまうことは、決してないよう気をつける必要があると感じています。
さいごに【取得に迷う方へ】
今回は半年間の男性育休の経験談を紹介しました。
男性育休にあたり、家庭や職場、自身のキャリア等、多くの視点から考えるほど、迷ってしまうこともあるかと思います。
そんな時は、自分の人生の価値観を考え直し、何が大切か、優先順位の観点から選択してみることをお勧めします。
皆さまの参考になりましたら嬉しいです。